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中高一貫校生のその後

私自身も、私立中高一貫校を卒業しましたので、このお話には多分に私自身の見解も含まれます。





中高一貫校に通う生徒たちは、そうでない社会とは或る種違う立場の存在となります。中高6年間という多感な時期を、中高一貫校という特殊な状況で過ごす以上、彼らの経験する出来事や、目指すものはおのずと一般社会とは異なるものになっていきます。
まず、多くの中高一貫校は即ち進学校ですので、高校卒業と同時に就職する生徒はほぼ皆無です。

ケーススタディ:麻布の場合
例えば、麻布中学・高校のサイトを見てみますと、一学年約300人の生徒がいますが、国公立大学への現役での合格者数は84人となっています。残りの200人強はどうするの?と思われるかもしれませんが、それとほぼ同数の浪人生がそういった学校に合格し進学しますので、約3分の2が国公立大学に進学することになります。そして残りの3分の1は早慶などの私立大学への進学であることはほぼ明らかです。
(こういった進学実績の場合、重複合格の多発する私立大学の合格実績はほとんど意味がありません)


有名一貫校の“負け組”

しかし、実数としては現れませんが、そうした華々しい進学実績の陰に、卒業まで学校に通えなかった生徒(ほとんどが学業面での問題ですが、中には経済的問題の生徒もいます)や、浪人を繰り返しとうとう大学に進学しなかった生徒もいることも事実です。

私自身の持論を申し上げますと、受験や進学という学歴の積み重ねはあくまでも「蓋然性を高める努力」でしかありません。有名私立一貫校に進学した時点で、人生の競争の勝者になれるわけではないのです。私の大学時代の友人に灘高校を卒業し、5浪して東大に入学した猛者がいました。一般的には灘中・高に進学しさえすれば、東大合格も当たり前、なのかもしれませんが、その一部には首尾よく大学進学を果たすことのできない者もいるのです。“負け組”という荒っぽい言葉を用いましたが、高学歴の取得が中高一貫校を目指すご家庭の一大目標であることは間違いありませんので、そうしたものをすんなりと手に入れられないのはまさに“負け”であると断言できるでしょう。

中高一貫校は蓋然性を高められるか
答えはイエスです。
先ほど挙げた灘高卒・5浪の方の例を引けばおわかりかもしれませんが、彼も早慶・上智程度ならば現役で合格しているのです。しかし自分自身のプライドや、将来設計を考えたうえで、悩み抜いたうえで東大進学を志し、5浪して遂にその学歴を手にしたのです。彼は学歴において“負け組”にはなりたくなかった。だからこその努力を続けたのでしょう。
つまり、中高一貫校の進学意識の高さが、高学歴に繋がる努力を導くのです。おそらく、一般的な公立高校の卒業者で多浪してまで東大にこだわる方は少ないでしょう。しかし中高一貫校では、周囲の優秀な生徒との切磋琢磨の中、どうしても自分も高いレベルの学校に進学したいという強い意識が育まれます。その結果として、高い進学実績=高学歴への蓋然性の高さが結果として示されるわけです。
それはあくまで蓋然性です。進学しさえすれば総てが終わりではありません。忘れないでいただきたいのはそのことです。多感な中高6年間で、もしもご両親がお子様との関係の在り方誤れば、数パーセントに満たない“負け組”あるいは“脱落組”にしてしまうこともあり得ることなのです。

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中高一貫校の分類

中高一貫校といっても、文部科学省の平成20年度の統計によると370校も存在し、その実情は各学校各々個別の状況があることは容易に想像できます。それらを一旦4つに分類し、解説してみましょう。






A:都内私立型

代表校
麻布・開成・芝・桜蔭・駒場東邦・豊島ヶ岡・慶應普通部→慶應高校etc・早稲田 などなど
特徴
中高6カ年の中で学習プログラムが組まれているため、大学入試に向けて非常に効率よく学習を進めることができる点は全くその通りです。しかし一方で、麻布中高や桜蔭中高のように「進学予備校に現役時から通うこと」が(ほぼ)前提となったプログラムが組まれている場合もあります。東京都内からの東大進学については、鉄緑会や各種予備校などでの補修が大きなウエイトを占めているという状況もあるからです。そういった補修を受けずとも東大・早慶に進学する生徒ももちろんいますので一概には言えませんが、こうした学校に進学する場合はそれら補修のための費用も或る程度覚悟した方がいいでしょう。
また、学費が高額な学校が多いという点にも注意が必要です。

B:地方私立型

代表校
ラ・サール(鹿児島)・灘(兵庫)・愛光(愛媛)・滝(愛知) などなど
特徴
有名校であれば、中高6カ年プログラムについては全く問題なく実施されていると思われます。また地理的に周辺に予備校が存在しない場合もありますので、学校でのプログラムで完結した進学指導が実施されている学校もまだ多いようです。ただし、私立進学校が多数存在する都内に比べ、そういった学校の比率の低い地方においては生徒が「特別扱い」や「ガラパゴス化(笑)」されるという話も聞きます。
学費自体はそれほど高額ではありませんが、その学校の周辺地域以外から進学となると、かなりの生活費(寮費など)を覚悟しなくてはなりません。なによりも中高6年間を親元から離れて暮らさせるのは大きな覚悟が必要でしょう。私の指導した生徒でこうした学校に進学した方もいらっしゃいますが、その場合は片親が学校近くに引っ越して、自宅通学させるという形でした(お母様単身赴任!)。うらやましいかぎりです。

C:都内公立型

代表校
筑波大学付属駒場(筑駒)・筑波大学付属・学芸大学付属
特徴
何よりも、高い進学実績の割に学費が通常の公立中高とそれほど変わらない(やはり少し高くなりますが)という点が大きなメリットです。鉄緑会や予備校に通う生徒も多いですが、そもそもの学費の低さがそういった出費を補てんしてあまりあるのではないでしょうか。
一方で、こうした学校は国公立大学の付属という立場上、進学のためとはいえないような学習プログラムが実施されていることも事実です。また、一部の学校では生徒管理がなされず(リベラル過ぎ)、いろいろな問題を抱える生徒もいるようです。
こうした学校は入試において、実力試験だけでなく抽選の要素も関わってきますから、専願ではなく他の私立中高一貫校を併願するのが一般的です。

D:地方公立型

代表校を挙げることはできません。
教育改革の一環で、2000年代後半からかなりの数の公立中高一貫校が設立(改組)されました。さいたま市立浦和などは地理的には都内公立型とも呼べそうですが、設立が2007年ですのでこういった分類に当てはまります。
はっきり申し上げて、塾業界的にはこうした学校は未知数です。なにより、まだ中高一貫化された後の進学実績もはっきりしていないからです。
進学にその後の学歴構築のための蓋然性の高さを求めるのでしたら、こうした学校は早い段階で進学先候補としては脱落でしょう。これからの進学実績は注目すべきです。

おおざっぱにこのような分類をしましたが、近年の中学入試においてはこれに加え、「有名私立大学の併設(付属)校であるか否か」が、志望動機の大きなファクターとなっています。それについては稿を改めたいと思います。


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1982/01/06
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自己紹介:
都内某大手塾にて算数を教えるしがない塾教師。
いちおう有名(?)私立一貫校卒業後国立大学に進学⇒その後迷走人生

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