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退塾のタイミング②

実際の退塾

退塾と一口に言っても、

①今通っている塾を辞めて、別の塾に通う
②もう完全に中学受験をしない

の2タイプの退塾があると思います。

①に関していうならば、「早ければ早いほどいい」ことは断言できるます。こうしたパターンで“転塾”してくる生徒を何人かフォローしたことがありますが、ほとんどは「ノウハウのほとんどない個人塾では心もとないので、大手に転塾」というパターンですね。個人・大手問わず、塾業界には誇大広告があふれていますが(註1)、個人塾ではたまたま一人開成に合格した程度で「開成合格者輩出!」などのPRを行ってしまうようです。最初の塾選びの際にそうしたポイントは押さえておいてほしいものですね。

転塾は「時期が遅くなれば遅くなるほど、不利」だと断言できます。そもそも子供が塾という環境に慣れるには3~4か月が必要だと言われていますが、それは即ち転塾してから3~4か月は「全く学力的に伸びない」時期があるということです。4年生や5年生の前半ならまだしも、6年生の夏休み前などに転塾してしまうと、追い込みの夏休みを十分に生かすことはできません。受験直前などは論外です。

②は、これも早ければ早い方がいいのは言うまでもありません。
意外と中学受験や高校受験の記憶が強いものであることは、受験を経験したご両親もおわかりのことでしょうが、受験間際に逃げるように退塾してしまうのと、4年生の終わりに“選択的”に退塾するのでは、子供の精神ダメージは大きく異なります。身も蓋もありませんが、中途半端で何かを終わらせてしまった経験は将来的にも悪影響です。さらに6年生ともなると自我がはっきりしてきますので、受験失敗の責任は「親のせい」ではなくて、「自分にも問題があった」というふうに子供にも理解されます。
その失敗を後につなげられるか否かはその後の子供次第・ご両親の導き方次第なのでしょうが、マイナスであることは紛れもない事実です。

具体的時期

以上のように「退塾は早い方がいい」というお話しをしましたが、実際は「まだまだ結果が出てないだけだろう」「もうすこし頑張ってみれば…」ということでずるずると継続してしまうのが人情というものです。では実際にはどのあたりで見切りをつけるべきでしょうか。

私の考えとしては、
①5年生夏休み明け
②6年生直前
が、最も見切りをつけやすい時期かと思います。


5年生夏休みは、6年生夏休みの追い込みに向けての予行演習的な要素が含まれています。場合によっては午前午後に渡るカリキュラムが組まれていることもありますし、何回かテストが実施されることでしょう。その中でまわりの生徒と楽しく過ごせているのか、授業のストレスをどれくらい感じているかで、「受験の適性」がはかれます。
具体的には「塾に行きたくない」「自分はまわりの子供(塾に行っていない)より不自由だ」「疲れた」「休みたい」というような子供の発言の、“裏”を読むことが必要になってきます。実際に頑張っていて、疲れているからそういう言葉でご両親に甘えてくるのか、あるいはまだまだ余力はあるのにそういう言葉で逃避しようとしているのか、「塾に行くことはどういうことなの?」「目標を目指して頑張っていたのじゃないの?」という言葉にどのように反応するかで或る程度はかることが大切です。
本当に頑張っている子供ならば、疲れは隠せませんがそれでも「わかった、頑張る」というでしょうし、本当にやる気がないならば「自分はこんなに頑張っているのにわかってくれない!」と言って喧嘩になってしまうでしょう。
そもそも、5年の夏休みの講習など、6年のそれに比べれば負担は3分の1にも満たないものです。その程度で本気で音をあげてしまうのならば、おそらく受験まで継続しても上位校には進学できません。


①は子供の適性の話でしたが、こちらは実際の学習レベルの話です。
この時期では志望校別の講習が始まるでしょうし、志望校に関しても本命・滑り止めといった現実的な考えで検討し始める時期です。
この時期に、あからさまな話で申し訳ないのですが、偏差値50程度の学校を第一志望とせざるを得ない生徒が、御三家や筑駒を受験するのは無謀です。
豊島ヶ岡を第一志望にしている生徒が一年間でレベルアップして桜蔭に合格することはかなりの確率でありますが、東京都市大学付属などのレベルの生徒はどうあがいても御三家には合格できません。そんな例はほとんど聞きませんし、あったとしても家庭教師や何やらと、かなりの手を尽くした結果でしょう。
もしも、「御三家以外受験する意味はない」「偏差値50なんて恥ずかしくて通わせられない」というならば、一時の恥を忍んで中学受験は諦めた方がいいでしょう。

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註1…塾の誇大広告
実は大手予備校3社(河合塾、代々木ゼミナール、駿台)では協定がありまして、この3社の間では“本科生”において重複合格は発生しません(一応そういうことになっています)。しかし新興のTや、通信教育のZなどはそのような協定に関係ありませんし、実際大手予備校のサブとして登録している生徒もかなりの数になりますから、「東大生占有率○○%」となるのです。同時に現役生向けか浪人生向けかにもよりますので、こうした場合大手3社とTやZを比較することは無意味です。
中学受験に関しては、「重複合格」という問題が大きいこともあります。基本的にすべて私立ですし、首都圏の学校は地方からの「力試し」「記念受験」生がかなりいますので、合格者数が入学者数の2~4倍ということが(御三家であっても)発生することがあります。
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退塾のタイミング①

こんばんは、kidです。
5年生を担当していますが、そろそろ受験に向いていない生徒は退塾し始める時期ですね。私の経験上、退塾の理由で多いのは以下のような感じですね。

①学力不振
②経済的問題
③他の習い事への転向

③についてはほとんど事例はありませんが、確かにあります。「五嶋龍みたいなバイオリニストにしたいんです!」だとか、あとは「サッカーをメインにやっていても学歴は付いてくる」とか、そういうことを保護者の方は言っていましたね。まー五嶋龍もハーバード在学中?ですし、サッカーに打ち込んでもAO入試という逃げ道もありますしね。調子に乗り過ぎて干された水嶋ヒロがいい例ですが。

なんだか勘違いしている方もいますが、五嶋龍や水嶋ヒロみたいな道はかなり通常のキャリア形成とは異なります。「バイオリンがんばれば」「サッカー頑張れば」という問題ではありません。勉強頑張れば早慶くらい普通にいけますが、相当頑張るか相当の才能(人脈含む)がないとはっきり言って無理です。

こういった考え方をするご家庭はそもそも塾に向いていませんから、退塾するのも当然ですね。

さて、本題ですが、①と②です。事例を紹介すると、

①学力不振
平気で子供に向かって「筑駒以外は学校じゃない!」と言い放つ親が本当にいます。そもそも筑駒は抽選もあるので実力だけではなく運の要素も関わってくるのですが。「御三家に行かなければ中学受験する意味はない」という考えは結構頻繁に耳にしますし、そうお考えのご家庭もあるでしょう。
そういう価値観において、偏差値40台(十分に受験期の追い込みで中堅校を狙えます)しか取れないお子様を、高い授業料を払いつつ通塾させる意味はないのでしょう。私の書き方からおわかりでしょうが、そもそも偏差値50に乗らない生徒はご家庭に問題があります。親の価値観を押し付け、更にその価値観が実際的、建設的ではない場合、普通の子供ならばやる気を失って当然でしょう。
実際のところ、本人がいくら頑張っても、保護者の方がどれほど前向きであっても、成績の伸びない生徒はいます。塾としては6年生まで授業料をむしり取りたいところですが、クラス編成などの際に足かせになりますので、暗に退塾をほのめかす場合もあります。決まって、「ひとりひとりピークは違う。おそらく、おたくのお子様は中学・高校で伸びるタイプだから、云々」の一点張りで説得しますね。

②ですが、事実リーマンショック以後にガラッと生徒が入れ替わった校舎もあります。IT企業などでバリバリ働いていたお父様が失業、または仕事のスタイルが変わったせいで家庭内で不和が発生、などなど、色々お話しをお聞きしましたが、一方で逆に保守的思考で「学歴がないと不況は乗り切れない!」とばかりに入塾相談をされるご家庭もありました。
①も③も、根本的にはこの部分に理由があるのかもしれません。ただでさえ節約を強いられる家計に対して、相対的に塾の費用が高くなってしまった、あるいはバイオリンなどを習わせるためには塾の費用を切り崩す必要がある、サッカーや野球はそもそもお金が余りかかりませんしね。

このようにいくつかの状況が複合して、最終的に退塾という選択がなされるようです。

こうしたご家庭の状況に対して、当社としては「説得しつつも引き留めない」という立場が基本路線です。個人塾などでは生徒一人の授業料が相対的に大きいですので、あの手この手を用いて慰留するようですが(経済的事情により退塾する生徒を、「特待生」として授業料割引など)、大手としては一人の退塾などどうってことないですから、ほとんど引き留めません。むろん経営状況によっては引き留め策を講じることはありますが。

いつ何時、ご家庭の状況が変わるかはわかりません。緊急の場合にはすぐさま退塾する必要もあるでしょう。しかし、多くの場合はずるずると続けてきたがそろそろ、ということのようです。

今回は事例を紹介しましたが、次回は実際、ずるずるつづけてきた学習塾をどういうタイミングで退塾すべきか、私の考えを述べていきたいと思います。

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塾の夏キャンプ合宿に思う

こんにちは。Kidです。
私の勤務する塾では早くも正月特訓ゼミ(冬合宿)や近畿圏への受験ツアーの企画が始まっています。これから始まる企画はとりあえずおいておいて、私も既に参加した夏キャンプ合宿について書きたいと思います。





あまり詳しくはかけませんが、5年生合宿の概略です。

概略
一日目
(8月××日)
午前
都内バスターミナルに集合。点呼を取った上で貸切バスにて3時間ほどの山奥のキャンプ場に移動し、オリエンテーション(諸注意)。子供たちの親睦をはかるためにレクリエーションなど。
午後
クラス分けが発表され、それぞれのクラスで授業。このときのクラス分けは直前の公開テストの結果が基本的に反映されるが、各校舎の室長のごり押しで上位クラスに入る生徒も(おそらく保護者からの圧力)。10:30分の就寝まで5時間ほど。

二日目
午前・午後とも授業。内容としては入試問題から抜粋したものを出題し、演習形式で行います。ところどころ計算問題コンテストや漢字コンテストも行い、生徒を序列化させていきます。11:00就寝。

三日目
二日目とほぼ同様です。
ちなみにこの日の生徒就寝後、われわれは宴会となります。

四日目
午前
確認テスト(全教科)
前日、前々日に演習した内容からの出題です。このテストに向け、上位層の生徒たちは休み時間や入浴などの空き時間にしっかり暗記や復習を済ませています。

午後
入試本番模試
実際に昨年度の当社の模試で出題された問題を、志望校ごとに受験します。この間に我々は午前の確認テストを採点・集計しています。
模試は夕方には終わりますので、夜間の授業で模試の問題を解説します。全教科なので生徒も我々もこれが一番ハードな日程になります。この日も11:00に就寝です。

五日目
この日は全く授業はなし。「キャンプ」ですので、みんなで登山です。800メートル級の山を縦走しますが、正直小学5年生には少々きつめの行程を組みます。ちなみに私は事前に担当者として山岳ガイドと打ち合わせをしましたが、このきつめの行程は塾上層部からのごり押しです。
午後15:00くらいに終了し、夜は最後のレクリエーション(BBQなど)と、前日の確認テスト優秀者をクラスごとに表彰します。10:30就寝。

考察
いかがでしょうか?正直に申し上げて、これは小学生にはかなりきつい内容です。
塾側の論理としては
①受験を勝ち抜く精神力を身につける
②不足しがちな自然体験をさせる
③一緒に戦う他校舎の生徒と交流する

というものが名目として掲げられていますが、私個人の理解としては、
①逆境に弱い生徒をあぶり出す→入試直前の追い込み期の指導にフィードバック
②「塾に缶詰め」という悪印象をこれによって和らげる
③競争意識を煽る
そしてさらに、
④収益
という点があると思います。

①についてですが、えげつない話ですが途中で脱落する生徒っているんです。初日に「帰りたい」を連呼し、お母様が迎えに来た生徒もいるくらいです。まぁ最終日の登山は実際きついのですが、いきなり中腹くらいで泣きだしたり、最悪登山道までのアプローチ(2キロ程度)で脱落する子もいます。
実は、そうした事実はしっかりと全校舎的にデータ化されており、受験直前のめげそうな時期の指導に生かされています。

②については言うまでもないでしょう。「エコ体験」がどれほど受験に役立つかわかりませんが、最近のお母様がたには人気ですね。企業イメージのこともありますが。

③ですが、そういうことで燃える生徒もいるということです。そのために我々では上位者のために二束三文の楯やトロフィーを用意するくらいですので。
ちなみに楯は単価1000円、トロフィは1500円程度です。年初に一括購入しています。

④がやはり一番大きいでしょう。経理情報ですのであまり口外して欲しくないですが、

参加費:5,9800円
実質単価:2,9000円

つまり、一人参加すると30000円も儲かってしまうわけです。むろんここから我々の出張費や賞与増額がなされますが、それを差し引いても塾の利益は大きいでしょう。

みなさま是非是非ご参加あれ☆

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塾講師の給与

こんばんは、kidです。
今回は塾講師の給与についてお話ししたいと思います。

「塾講師=そこそこ高学歴」

という想像をされる方は多いように思いますが、一方で

「塾講師=そこそこ高収入」

という想像をされる方は少ないのではないでしょうか?私もこの業界に入るまでは、塾講師に対してそうしたイメージを抱いていました。
そもそも「そこそこ高学歴」なのに「そこそこ高収入」じゃないとしたら、すなわち業界構造としていびつですから、これほどまでにビジネスモデルが確立することはあり得なかったのではないでしょうか。

端的に述べると、塾講師は高学歴ではありませんし、高収入でもありません。「勉強を教えている」というイメージが独り歩きして「高学歴」のレッテルが貼られ、「子ども相手の楽そうな仕事だ」というイメージによって「高収入ではない」というレッテルが貼られるのでしょう。

以前も少しお話ししましたが、基本的に塾の“講師”には3種類の人間が存在します。

①社員講師(新卒採用)
塾業界の勝ち組です。新卒一括採用の中で、「年功序列」「残業代」などの会社的恩恵を存分に享受する存在です。この方々は基本的に高学歴ではありませんが、22,3歳という時期から塾業界にいますので、意欲に燃えており、そして現在の社会的地位を守ろうと頑張っています。年収は300万くらいから始まりますが、年月を経るにつれ高級取りになっていきます。残業代ゲットのため、休日出勤もいとわないエリート社員たちです。
都下の平均年収はおそらく500万~600万くらいでしょうか。教室長や教科責任者などの管理職に昇進すれば1000万円も夢ではありません。

②社員講師(中途採用)
事実塾業界を支えている、夢破れた人々です。うちも含め、大手塾ではこうした人々は「年俸制」となっている場合が多いようです。年俸制というと実力主義的な雰囲気を感じますが、実際は残業代を支払わない口実です。とはいっても、いろいろなしがらみから休日出勤、深夜残業などは日常茶飯事です。年俸は400万円前後から始まるようですが(じゃないと生活できない!)、昇給するか否かはその時の塾の経営状況に左右されます。
また、比較的容易にリストラが行われます。場合によっては契約社員などの形態である場合もあるからです。

③アルバイト講師(学生など)
中途採用の社員講師と双璧をなす、塾業界のソルジャーです。基本的に高学歴ですので4年~6年で去っていきますが、その後は学歴に見合った大企業に新卒として入ることになります(まぁ残念なことに社員として塾業界に残る負け組もいますが)。
個人塾と大手塾で時給の差が激しいようですが、一般的に時給2200円くらいが平均みたいですね。1日4時間授業するとすると、おそらく1カ月で7,8万円稼ぐのではないでしょうか。無論生活は別のところで保障されていますから、これは彼らの遊行費に消えるのでしょう。
時給制ですので、残業代もきっちりつくんです。

このような構造を通して、塾業界の実態を想像して頂けるでしょうか。大手メーカーなどで経費削減のために進む「フレックス制」や「年俸制」といった残業代カットの手法に真っ先に飛びついたのは塾業界だったのかもしれません。
この給与を高いと感じる方も存在するのは十分に承知です。近年ワーキングプアなどと呼ばれる人々に比べれば、私の1日などは甘いものでしょう。しかし、この新卒社員優遇と中途社員別紙の体質は改めていってほしいものです。

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インターナショナルスクールに通う人々

こんにちは、管理人のkidです。
最近中華学校が人気みたいですね。ニュースやら雑誌やらでとりあげられているのをよく見ます。こうしたインターナショナルスクールに通う生徒も、私の塾でも増加傾向にあるようです。事実、現在担当している各学年(2、5、6年生)にも一名~三名の「各種学校」に通う生徒が在籍しています。

「語学教育」
という観点、また「学校のブランド」という観点から、小学校の代わりにこうした学校に通うことは、その生徒ののちのちのキャリアにおいて大きなアドヴァンテージになることは間違いないでしょうね。事実、上智大学など「語学に重きを置く」大学では、帰国子女はほぼ無試験、語学の特異な生徒も試験ではかなりのアドヴァンテージを得ることになります。今の生徒たちが就職する十年先、十五年先がどうなるかはわかりませんが、事実国内企業は語学能力の高い学生を非常に優遇して採用しているように感じますし。

それでは、こうしたインターナショナルスクールの利点・欠点を、「有名一貫校進学」という観点で考えてみましょう。

利点
①受験慣れ(序列化馴れ)
なによりも、小学校入学の段階で何らかの試験を受けていますので、受験慣れという点では頭いっぽ出ていると言えるのではないでしょうか。筆記試験ではなく、面接試験が実施されるいわゆる「お嬢様学校」や、慶應系列の学校の受験には有利だと言えます。面接試験の模試などを担当することもありますが、この子ははきはき喋って好感が持てるな、という生徒にインターナショナルスクールに通っているという者は多い傾向にあると思います。

②有名一貫校入学後の語学(英語)
さきほど上智の例をあげましたが、中堅私大受験において英語力の高さはかなりのアドヴァンテージになります。よって、有名一貫校では語学教育にかなり力を入れている場合が多いのですが、こうしたハイレベルな指導にも十分ついていけるだけの英語の下地ができているということは大きな利点でしょう。

③帰国子女枠での受験
※国内の「各種学校」卒業見込み者の帰国子女枠受験については、各学校によって扱いが異なります。ご注意ください。
これには種々の事情が重なりますが、可能である場合があります。当然、帰国子女枠での受験では受験生がかなり少ないので、倍率的に有利です。

欠点
①基礎学力の欠如
塾の指導カリキュラムは、通常の小学校での学習内容を十分にこなしていることを前提に作られています。インターナショナルスクールでは通常、算数や国語といった一般の小学校の学習内容を削ったうえで独自の語学プログラムや宗教プログラムを組んでいるため、こうした各種学校に通う生徒は基礎学力の欠如という状況を抱えやすいようです。私の指導している高学年の生徒は、3,4年生時に家庭教師をつけたり、“補習塾”に更に通うなどして、基礎学力を補修した生徒がほとんどです。
ちなみに、2年生の生徒は掛け算九九すらおぼつかない状態です。

②協調性の問題
私が実際にその生徒を知ってるわけではありませんが、私の勤める塾で過去にこうしたケースがあったそうです。
家庭教師と進学塾を併用して無事有名一貫校(国立)に進学したAさん(仮名)、しかし進学後の学園生活(部活動など)で周りの生徒になじめず、結局帰国生の受け入れに積極的な中堅一貫校に編入、というケースです。
塾はそうした情操教育の場ではありませんので、こうしたケースについて責任は全く負えませんし、責任はないものと考えます。しかし話をよく聞いてみると、通塾なども他の生徒と一緒に行うのではなく、お母様が高級外車で毎回送り迎えされていたとのこと。なんとなく、ついていけなくなるのもうなづけますね。

以上のように利点・欠点を挙げてみましたが、利点の③はかなり怪しいというか、そこを目的にすべきものではないように思えます。また、欠点の②は完全に家庭の力に依存するものですので、私が口出しすべきことではありません。

インターナショナルスクールに通うことはご家庭の価値観や将来的なキャリアデザインに関わることですので、一概にその是非を問うことはできません。ただ、私が“プロ”としていえることは、その中で更に上位校に進学していくためには塾だけでなく、家庭教師などの更なる出費を覚悟しないといけないということです。そして情操教育の在り方という点を考えると、進学先についても十分に検討する必要があると思います。

私個人の見解としては、インターナショナルスクールに通うことは「日本的価値観からの脱出」だと思います。非常に日本的に形成された学校序列(御三家、東大、早慶上理といったもの)を否定したうえで、よりグローバルな視点でのキャリア形成を目指すというのがその本旨ではないでしょうか。
そう考えると、そもそも小学校の代わりに「各種学校」に通う以上(ちなみにインターナショナルスクールを卒業しても厳密には小学校卒業にはなりません。「小学校卒業相当」になるだけです)、そうした日本的な学歴基準の上で高いレベルを目指すのはダブルスタンダードではないでしょうか。

二兎を追う者は…ともいいます。結論として、インターナショナルスクールに通う生徒はその本旨を外れず、暁星国際などの国際教育を本旨とした学校を目指すのが一番いいのではないか、と私は思うのです。あるいは、或るところでそうした特殊な価値観を改め、日本的価値観にシフトする必要があるのかもしれません。しかしそれは、非常に大変なことであるということを忘れないでほしいと思います。

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プロフィール

HN:
kid
年齢:
42
性別:
男性
誕生日:
1982/01/06
職業:
塾講師
趣味:
登山
自己紹介:
都内某大手塾にて算数を教えるしがない塾教師。
いちおう有名(?)私立一貫校卒業後国立大学に進学⇒その後迷走人生

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