有名私立一貫校とキャリア
中学受験生とご両親に贈るブログです。一部脱線もありますが、主に私立中高一貫校とその後のキャリアについて分析しています。
塾講師になる人々
今回は塾を支える労働者、塾講師について少し書きたいと思います。
私も「国内最高峰」とよばれる大学を卒業しながらも塾講師をしていますので、一般に塾講師は高い学歴を持っているかと言うと、実はそうではありません。みなさんは自分を指導してくれる先生の学歴をご存知でしょうか?保護者の皆さまはそのことが結構気になるのではないでしょうか?いずれにせよ、「塾講師の学歴は謎」ではないですか?
都内のいわゆるFランク(註1)と呼ばれる大学の就職先リストを試しに2,3校分見てみて下さい。必ずご存知の大手進学塾の名称を発見すると思います。逆に有名私立大学や国立大学の就職状況を調べてみると、ほとんどそうした塾、あるいは進学予備校の名前は見つけられないはずです。
かといって、そうした大手進学塾の講師に有名大学関係者がいないというわけではありません。むしろ沢山いる様に感じるのでは?
これには実はカラクリがあるのです。まず、最近の会社と同様、塾講師にも正社員と非常勤社員(派遣・契約社員)の区別があります。上記の就職先リストに掲載されるのは、すべて「正社員として就職内定」した者の実数です。就職内定ですから、卒業後即その大手進学塾に事務員・講師として勤務することになります。
こうしたいわゆる一般的な新卒採用を経て正社員になるものだけではなく、何らかの事情で非常勤社員として勤務している者も、みなさん生徒や保護者の方には「社員」としていっしょくたに把握されているのではないでしょうか。彼らは確かに社員なのですが、採用されるルートが前述の正社員とはかなり異なります。つまり、派遣会社に講師として登録し、各教室に派遣されて「先生」として勤務するのです。こうした方々には、学生と兼業している方も含め、有名大学出身・在学中の方が非常に多いのです。
また、非常勤社員でなく正社員でも、中途採用として塾業界に足を踏み入れる方もいますが、そうした方も概して高学歴と呼ばれる社会集団の出身です。しかし彼らは新卒時に就職しなかった(できなかった)、あるいは異なる業界に就職していますので、前述の大学発表の就職先リストには反映されません。
勤労学生の有無や、派遣講師の有無は各進学塾で異なりますが、このように複雑な人員構成となっているが故、「塾講師の学歴は謎」になってしまうのでしょう。
上記の説明で塾業界の構造が学歴主義ではなく、かなり「ルート主義」であり「実力主義」であることがおわかりいただけたかと思います。あまり露骨には書けませんが、すこしこのいびつな構造について考えて頂ければ、塾業界の不思議さに気づいて頂けるかと思います。
派遣社員や勤労学生は、正社員の指示に異を唱えるわけにはいきません。
日本社会、そして塾業界もまた、新卒至上主義です。それこそ露骨な新卒優遇≒中途差別の実態もあります。
どう思われるでしょうか。
しかし、いずれにせよ、そうした先生たちの日々の努力によって、毎年多くの生徒が自らの志望校への合格を勝ち取り、自身の学歴の構築への一歩を踏み出すのです。
ランキング参加しています。
※註1)Fランク大学=一般に代々木ゼミナールの偏差値ランキングでランク外とされている、名前の載っていない大学を指します。予備校の「有名大学に進学」という目的とは合致しない大学≒予備校出身の志望者がほとんどいない大学、と言うことでしょう。決して進学価値が無いというわけではありませんが(整体師や看護師といった資格に非常に強い大学もありますし)、通常の“学歴”とよばれる序列体系の中では評価されない大学です。おおむね日東駒専より(学歴的)ランクの低い大学のことを指すようです。
私も「国内最高峰」とよばれる大学を卒業しながらも塾講師をしていますので、一般に塾講師は高い学歴を持っているかと言うと、実はそうではありません。みなさんは自分を指導してくれる先生の学歴をご存知でしょうか?保護者の皆さまはそのことが結構気になるのではないでしょうか?いずれにせよ、「塾講師の学歴は謎」ではないですか?
都内のいわゆるFランク(註1)と呼ばれる大学の就職先リストを試しに2,3校分見てみて下さい。必ずご存知の大手進学塾の名称を発見すると思います。逆に有名私立大学や国立大学の就職状況を調べてみると、ほとんどそうした塾、あるいは進学予備校の名前は見つけられないはずです。
かといって、そうした大手進学塾の講師に有名大学関係者がいないというわけではありません。むしろ沢山いる様に感じるのでは?
これには実はカラクリがあるのです。まず、最近の会社と同様、塾講師にも正社員と非常勤社員(派遣・契約社員)の区別があります。上記の就職先リストに掲載されるのは、すべて「正社員として就職内定」した者の実数です。就職内定ですから、卒業後即その大手進学塾に事務員・講師として勤務することになります。
こうしたいわゆる一般的な新卒採用を経て正社員になるものだけではなく、何らかの事情で非常勤社員として勤務している者も、みなさん生徒や保護者の方には「社員」としていっしょくたに把握されているのではないでしょうか。彼らは確かに社員なのですが、採用されるルートが前述の正社員とはかなり異なります。つまり、派遣会社に講師として登録し、各教室に派遣されて「先生」として勤務するのです。こうした方々には、学生と兼業している方も含め、有名大学出身・在学中の方が非常に多いのです。
また、非常勤社員でなく正社員でも、中途採用として塾業界に足を踏み入れる方もいますが、そうした方も概して高学歴と呼ばれる社会集団の出身です。しかし彼らは新卒時に就職しなかった(できなかった)、あるいは異なる業界に就職していますので、前述の大学発表の就職先リストには反映されません。
勤労学生の有無や、派遣講師の有無は各進学塾で異なりますが、このように複雑な人員構成となっているが故、「塾講師の学歴は謎」になってしまうのでしょう。
上記の説明で塾業界の構造が学歴主義ではなく、かなり「ルート主義」であり「実力主義」であることがおわかりいただけたかと思います。あまり露骨には書けませんが、すこしこのいびつな構造について考えて頂ければ、塾業界の不思議さに気づいて頂けるかと思います。
派遣社員や勤労学生は、正社員の指示に異を唱えるわけにはいきません。
日本社会、そして塾業界もまた、新卒至上主義です。それこそ露骨な新卒優遇≒中途差別の実態もあります。
どう思われるでしょうか。
しかし、いずれにせよ、そうした先生たちの日々の努力によって、毎年多くの生徒が自らの志望校への合格を勝ち取り、自身の学歴の構築への一歩を踏み出すのです。
ランキング参加しています。
※註1)Fランク大学=一般に代々木ゼミナールの偏差値ランキングでランク外とされている、名前の載っていない大学を指します。予備校の「有名大学に進学」という目的とは合致しない大学≒予備校出身の志望者がほとんどいない大学、と言うことでしょう。決して進学価値が無いというわけではありませんが(整体師や看護師といった資格に非常に強い大学もありますし)、通常の“学歴”とよばれる序列体系の中では評価されない大学です。おおむね日東駒専より(学歴的)ランクの低い大学のことを指すようです。
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プロフィール
HN:
kid
年齢:
43
性別:
男性
誕生日:
1982/01/06
職業:
塾講師
趣味:
登山
自己紹介:
都内某大手塾にて算数を教えるしがない塾教師。
いちおう有名(?)私立一貫校卒業後国立大学に進学⇒その後迷走人生
いちおう有名(?)私立一貫校卒業後国立大学に進学⇒その後迷走人生